せつめい

 楽譜が読めたら楽しいだろうな…

フィギャーノートはフィンランドの障害者のための音楽学校「レソナーリ」で開発された楽譜表記法です。知的障がい者がわかりやすいよう、音の高さや長さを可能な限りシンプルで視認性の高い色と形に置き換えることで誰もがわかりやすく、演奏に導くことを可能にしました。一般の楽譜への移行もスムーズです。コード(和音)奏ができるのも大きな特徴です。
カラフルな図形が並んだ楽譜と、楽器上に貼るシールをマッチングさせるだけで大好きなあの曲この曲がすぐに弾けるようになります。

ヨーロッパでは既に高い評価を得ており、フィンランドでは、知的障害に限らず、音楽教育、音楽療法で広く普及し、2005年には音楽をバリアフリーにした功績で、フィンランド国営放送局文化賞を受賞しています。開発されてから20年を経て、フィギャーノート・ユーザーはエストニア、イタリア、アイルランド、スコットランド、アメリカ、ブラジル、マルタ、スウェーデン、オーストラリア、ラトビア、インドネシア、香港、韓国など20カ国以上に広がっています。

日本では2002年に江差福祉会あすなろ学園(北海道)が、利用者の余暇活動として導入し、2005年にはフィギャーノート日本語版を出版して、商標登録、日本国内の利用権、プロモート権を得ています。

日本の学校教育では平成21年に、東京都狛江市の小学校特別支援学級が導入し、あっという間に「世界でひとつだけの花」やデイズニーの名曲などを合奏できるようになり、周囲を驚かせました。自信をつけた児童たちはその後、保育園や高齢者施設を訪問してフィギャーノートを使ったトーンチャイムやお琴演奏の指導役を務めることで地域交流の輪を広げました。彼らの取り組みは周囲に大きな感動と示唆を与えたとして、平成27年度には東京都教育委員会から表彰を受けました。

一般社団法人フィギャーノート普及会HappyMuseは、この学校での活用をはじめ、様々な対象に対するフィギャーノートの評価活動に関わった経験から、2015年、江差福祉会あすなろ学園の許可を得て、日本国内におけるさらなる普及活動を行うために設立した団体です。
現在フィギャーノートは、楽譜を読むのが困難な人々を助けるだけでなく、幼児からシニアまで幅広く、音楽を学ぶこと、演奏活動を楽しむことに活用されるようになっています。